タミフル のはなし...
新型インフルエンザの流行に備え、各国が備蓄を進める薬 「タミフル」ってどんな仕組みで効く薬なんだろう!! インフルエンザの治療について...お父さん一寸調べて...と言う家族の声に、寒い部屋でパソコンに向かっている。「インフルエンザはウイルスが引き起こすのか・?・・対策の基本はワクチンだけど、発病防止効果は100%ではない..」 ワクチンは病原体を無毒化したもの。普通は一回接種すれば免疫ができ、本物の病原体が体内に入っても発病しない。身体が病原体の特徴を覚え、鍵穴に鍵がピッタリとはまるように病原体に結合して退治する「抗体」を即座に作り出せるようになるからだ。 ところが、一生に一度の接種で済む麻疹などとは違い、インフルエンザの予防には毎年ワクチン接種を受ける必要がある。ウイルスの表面の構造が変異しやすく、”鍵穴”の形がすぐに変ってしまうからだ。 インフルエンザワクチンは、どんなタイプのウイルスが流行るかを毎年予想して作るが、大きく外れると効果はない。又、喉の奥などインルエンザウイルスが増殖する気道の粘膜には、抗体を運ぶ血液が届かないため、正しいワクチンを接種したのに発病することも珍しくない。 ここでインフルエンザワクチンの効果について、ある大学病院の文献によると「正しいワクチンを打っても、発症防止効果は健常者で70〜80%、高齢者や乳幼児では50%を切る」との事。 そこで、タミフルなどの治療薬の出番となる。 インフルエンザウイルスの表面は、2種類の「とげ」のようなタンパク質に覆われている。細胞にくっつくための「とげ」と細胞内で増えたウイルスを細胞から切り離すための「とげ」だ。タミフルは、後者の「とげ」に取り付き、ウイルスの細胞から切り離す働きを阻害して他の細胞への感染を抑える。 タミフルが取り付く部分の構造は、ウイルスのタイプが違ってもほぼ同じであり、現時点でタミフルは、これまでに流行したどんなインフルエンザウイルスにも効果があることが確認されている。だから新型ウイルスにも効くと予想されるのだ。 タミフル錠剤はスイスの医薬メーカー、ロシュ社の薬品で、中国料理の香辛料でもある八角の実を原料とする。ほかにもインフルエンザ用の抗ウイルス剤はあるが、副作用が少なく錠剤で使いやすいタミフルの使用量が圧倒的に多い。 内科医が言う。「インフルエンザと診断すると、ほぼ100%タミフルが使われる。解熱効果が高く、前日まで高熱にうなされていたのに翌日、走り回れるまで回復する子もいます。以前の治療に比べ、抗生物質の使用が減り患者の入院日数もぐ〜んと短くなりました」。 「でも日本は、タミフルの使い過ぎで、副作用も多いって聞いた」。患者だった多くは幾分かの懸念がある。医師会曰く、決して乱用ではない。「日本ではインフルエンザウイルスの迅速診断が全国どこでも行われているので、すぐにタミフルが使える。だから使用量が増えるのです...と」。 服用後の死亡報告は多少あるが、米食品医薬品局(FDA)も日本小児科学会も「タミフルとの因果関係が明らかなものは何もない」との見解を出している。 E n d << back |